赤ちゃんが産まれると、市町村の小児科で乳幼児健診が行われます。
その時に毎回赤ちゃんの頭の大きさ(=頭囲)を測るのですが、
平均よりも頭が大きいと心配になってしまいますよね。
中には産まれる前に、
妊婦検診でお医者さんに赤ちゃんの頭の大きさを指摘されることもあります。
このように赤ちゃんの頭の大きさは、病気や障害が無いかよく観察する必要がある部分なのです。
頭が大きくなってしまう病気には水頭症や自閉症などがあり、
どちらも赤ちゃんの今後の成長に大きくかかわる病気のため注意が必要です。
一方、最近では赤ちゃんの頃頭が大きかった人は将来賢い人に育つという研究結果も出たようで、
一概にも頭が大きいからいけないというわけでもなさそうです!
今回は赤ちゃんの頭が大きくなってしまう病気や、
赤ちゃんの時の頭の大きさと知能レベルの関係などを調べてみました。
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赤ちゃんの一般的な頭の大きさは?
乳幼児健診では毎回、赤ちゃんの頭囲を測定します。
頭囲は眉毛の辺りの一番骨が出ているところと、後頭部の一番出っ張っている部分とをぐるりとメジャーで測ります。
まず初めに、赤ちゃんの頭は平均的にどれぐらいの大きさなのかを見てみましょう。
産まれた時
男の子 31.2~35.8cm
女の子 30.4~35.3cm
生後1ヶ月
男の子 34.2~39.2cm
女の子 33.5~38.3cm
1歳の時
男の子 43.6~48.8cm
女の子 42.5~47.7cm
以上が平均的な赤ちゃんの頭の大きさです。
大きさや成長には個人差がありますので、平均と少し違うくらいでしたら心配はいりません。
しかし、平均の値より3cm以上大きい場合には少し注意して見守る必要があります。
母子手帳には成長曲線というグラフが記載されていると思いますが、
その値と赤ちゃんの成長があまりにもかけ離れている場合には要注意です。
また、赤ちゃんは日々成長していきますが、短期間で急激に頭が大きくなる、
頭の形がおかしいなどの異変を感じた場合にも病気の可能性があります。
先天的な病気の他に、赤ちゃんの頭はまだ柔らかくとても不安定なので、
どこかにぶつけてはいないか、そのせいで腫れてはいないかということも思い返してみましょう。
赤ちゃんの頭の大きさについて不安を感じたら、一度医師に相談してみると安心ですね。
そして赤ちゃんの異変に早期に気付くためにも、任意であっても定期健診には行くようにしましょう。
あなたの赤ちゃんの頭が大きい原因は?
そもそも、なぜ頭の大きい赤ちゃんが生まれるのでしょうか?
その原因について以下にまとめてみました。
測定ミスで大きく計測されてしまってないか
赤ちゃんの頭囲が平均より大きいと感じたとき、
一番に疑ってしまうのは病気についてですが、実は測定ミスということも多々あるそうです。
赤ちゃんの頭囲を測るのは結構難しくて、
お医者さんだと泣いてしまって落ち着いて測定できていないこともあります。
そのため、健診での値がおかしいなと感じたら、まずはご自宅でもう一度測定してみてください。
測定には柔らかいメジャーを使い、
赤ちゃんの眉毛の上辺りの出っ張りと後頭部の出っ張りを結ぶイメージで測定します。
この時赤ちゃんを寝かせた状態で測定すると正確に測りやすいです。
もう一度測ってみてそれでも値が大き過ぎる場合には、
何らかの病気が原因で頭がおおきくなってしまっている可能性があります。
遺伝的に大きくなった可能性も
持って生まれる骨格には個人差や遺伝的要因もありますので、
ただしっかり大きいだけで健康な赤ちゃんの場合もあります。
なので、遺伝の場合、あなたやあなたの配偶者が
頭の大きい赤ちゃんでなかったかなどを確認してみるのも良いかもしれません。
病気かどうか見極めるポイント
ここで注目したいポイントは
- 急に大きくなっていないか
- 頭の形がいびつに変形していないか
の2点です。
急激な頭の肥大や変形は、病気が成長して進行しているサインかもしれません。
あくまで素人判断をせず、少しでも異変を感じたらお医者さんに相談しましょう。
その際、日頃から成長を母子手帳やノートなどに記録しておくとお医者さんにも伝えやすいです。
また、病気が原因でなくても、ぶつけるといった外傷が原因で病気を引き起こしてしまうかもしれません。
赤ちゃんの頭は柔らかくてまだ不安定なので、
内出血がみられたり明らかにぶつけたような腫れ方をしている場合にもすぐに病院に行きましょう。
病気が原因でなくても、ぶつけるといった外傷が原因で病気を引き起こしてしまう危険性もあるので要注意です。
頭が大きくなってしまう病気があるって知っていましたか?
実は、頭が異常に大きくなってしまう病気のことを巨頭症(きょとうしょう)と呼ばれます。
何らかの原因により頭が不自然に大きくなってしまったり、
頭蓋骨の変形がみられる病気で、大頭症とも呼ばれます。
産まれた時よりも成長するにつれて頭の大きさが不自然に大きくなるのが特徴で、
運動能力や知能の遅れを伴うこともあるので要注意です。
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頭が大きいと自閉症の可能性はあるのか
頭が大きいからと言って、
全ての場合で自閉症などの病気であるというわけではありません。
しかし、自閉症の子供の約30%が巨頭症を発症しているという調査結果もあり、
頭の大きさと自閉症とは関連性があるとみられています。
自閉症とは
自閉症は先天性脳機能障害です。
脳に何らかの障害があり、様々な伝達が上手くいかないことで人とのコミュニケーションが苦手であったり、
味覚や聴覚が極端に鋭かったり鈍かったりするという症状が出ます。
脳のどの部分に異常がみられるのか不明なため、現在研究が進められています。
自閉症の特徴
今現在分かっている自閉症の脳の特徴は、
自閉症の脳は記憶をする容量が通常より少ないということです。
自閉症の症状は2歳以降から出始めると言われていますが、
その要因は大脳と小脳に異常が出てくることです。
特に大脳は前頭葉、側頭葉、扁桃体という部分から成り立っていますが、
ここは運動機能や情報、学習、理性を司る部分です。
ここに何らかの異常が出ると運動機能の低下や会話が成り立たない、
自分の感情を抑制できないなどの症状が表れます。
そして、自閉症の赤ちゃんは目の動きにも特徴があります。
目の動きコントロールするのは前頭葉です。
前頭葉はおでこの奥に位置する脳の部分ですが、
自閉症の方はこの前頭葉の機能に異常がみられることがあります。
受診が必要と思われる症状
頭が大きいということ以外に、
以下のような症状がみられた場合は医師に相談が必要となります。
- 大泉門が腫れている、硬く張っている
大泉門とはおでこにある骨と骨の継ぎ目です。
赤ちゃんはまだ頭の骨はくっついておらず、通常は触るとペコペコする感じがします。
ここが腫れていたり硬く張っていると何らかの異常がみられる場合があります。 - 急激に頭囲が大きくなり、標準値を超えていく
- 目の動きに異常を感じる
- 機嫌が悪い、ぐったりしている
- 頭の形がいびつ
頭蓋骨縫合早期癒合症の可能性があります。
頭蓋骨縫合早期癒合症(とうがいこつほうごうそうきゆごうしょう)とは
赤ちゃんの頭蓋骨はまだくっついていません。
成長の過程で徐々にくっついていくのですが、
早期に骨がくっついてしまうことがあり、これを頭蓋骨縫合早期癒合症と言います。
早期に骨がくっついてしまうと脳の発達が妨害されてしまい、
何らかの障害として表れることがあります。
特に自閉症の赤ちゃんには頭を真上から見たときに、
おでこと頭の鉢が三角形に出っ張っているように見えることがあります。
これはおでこの奥にある前頭葉の部分の頭蓋骨が早期に閉じてくっついてしまい、
くっついた部分が重なり合ってしまったり分厚くなることで頭の形がいびつに変形するためです。
あくまでも自閉症の赤ちゃんに多い特徴で、
頭が大きいからと言って自閉症であるという事ではありませんが、
頭の大きさや形と自閉症とは関係性がみられます。
次のページでは頭の大きい赤ちゃんは水頭症の疑いがあることや
悪いことだけでなく、将来賢い子に育つ可能性もあることなどについてまとめていますので
ぜひ、読んでみてください!
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