空気が少しずつ柔らかくなってきて、日に日に春の訪れを感じます。
暖かくなってくるとアウトドアやレジャーなどが楽しい季節になりますが、
そんな時に気になるのが花粉症についてですよね。
これから最もピークの季節になる花粉症ですが、
日本人の約4人に1人が花粉症であるというデータもあり今や国民病とも呼べる身近なものです。
しかし、まだまだ朝晩は肌寒いので、
この鼻のトラブルが花粉症かそれ以外によるものなのか悩ましい時もありますよね。
花粉症はアレルギー性鼻炎の一種で、風邪はウイルス性の疾患です。
また他にも鼻炎や痰などが出てしまう原因には細菌感染などもあります。
同じ鼻炎といえども、その原因が違うと症状にも違いが出てきます。
それによって鼻水の色にも違いが出てくることを皆さんはご存知でしょうか?
鼻水や痰は透明の時もあれば緑色や黄色いものが出る時もありますよね。
この違いに注目すれば、花粉症なのか他の病気なのかを見分ける判断材料となるのです!
そこで、花粉症と別の病気の時との鼻水や痰の違いをご紹介していきます。
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そもそも、花粉症の原因の”アレルギー性鼻炎”とは?
花粉症はアレルギー性鼻炎の一種で、
字の通りに花粉にアレルゲンを持つ方が発症してしまうアレルギー性鼻炎です。
これはハウスダストやペットの毛などにムズムズしてしまうのと同じアレルギー症状です。
アレルギー症状とは、免疫機能が過剰に働いてしまうことで起こるものです。
免疫機能は人間が自分の身体を守るための能力で、
ウイルスや細菌などの有害物質と日々戦って健康を維持してくれています。
鼻水や痰が出るのも、身体にとって有害なものや不必要なものと戦ったり体外に排出するための免疫機能の一種と言えます。
しかし、免疫機能が乱れてしまうと、いつもは勝てていたウイルスにも負けて
風邪を引きやすくなってしまったり、逆に通常は無害な食品や物質までも敵だとみなして反応してしまいます。
例えば、花粉やペットの毛などは大量に取り込んでしまわない限り、
人間には有害なものではありませんよね。
卵や小麦なども同様に、通常は害のある食べ物ではありません。
しかし、免疫機能がそのような無害な物質にまでも過剰に反応してしまうのがアレルギー症状なのです。
アレルギー性鼻炎はそのアレルギー症状が鼻炎となって表れるものです。
通常は異物ではない物質に免疫機能が反応して、取り込んでしまった物質を体外に排除しようと大量の鼻水が出たり、
発作のようにくしゃみが連発したりという症状が出ます。花粉症の場合の鼻炎症状もこれに当たります。
ですので、ウイルスや細菌に感染したり戦っている風邪などの病気の時とは
身体の状態が違うため、鼻水の出かたやその特徴にも違いが出てきます。
花粉症の場合、どのような鼻水や痰が出る?
次に、花粉症の場合の鼻水や痰はどのような特徴があるのでしょうか?
現在のあなたの症状と照らし合わせてみてください!
花粉症の鼻水の特徴
まず鼻水についてですが、花粉症の場合の鼻水は透明でサラサラしているのが特徴です。
水っぽくてポタポタ垂れてくる、という場合もあります。
粘り気は多少あるものの、ドロッと塊のようにでる鼻水とは違い、
かんでもかんでも大量に出てくることが多いです。
花粉症の痰の特徴
次に痰についてですが、花粉症の症状ではあまり馴染みのない症状かと思います。
花粉症の場合、風邪の時のようなゴロッと絡まるような痰はあまり出ず、
痰が出るとしても、鼻水と同様に透明なものが出ることが多いです。
実は痰ではなく、後鼻漏(こうびろう)の可能性も
上記であまり痰は出ないと説明しましたが、
仮に痰が出ていたとしても、それは痰ではなく鼻水である可能性があります。
鼻と喉は奥で繋がっていますので、大量の鼻水が出たときには鼻水が喉の方へ流れてしまうことがあり、
この状態を「後鼻漏(こうびろう)」と言います。
鼻が詰まっていて口呼吸になってしまっている時、特に寝ている間の仰向けの時に起こりやすいです。
なので、朝起きて痰がたくさん出ているという場合、
もしかしたら痰ではなく後鼻漏の状態の可能性があるのです。
また、花粉症で咳が出るという人は多く、約8割の方が咳の症状が出ています。
風邪の時の咳とは違い、花粉症の時の咳の特徴はケホケホ、コンコンというような
乾いた咳であるという特徴があります。
そして、鼻水の症状と共に鼻づまりが酷くなるとどうしても口呼吸になってしまい、
口の中や喉が乾燥してしまうことも乾いた咳の原因の一つです。
この喉の乾燥と乾いた咳を繰り返すことで喉が傷付いてしまい、痰が出る原因になることもあります。
鼻水や痰に色が付くのは花粉症ではなく、風邪などのウイルスが原因!
鼻水や痰に色が付いている時は
体がウイルスや細菌に感染していたり、鼻や肺でなどで炎症が起こっている可能性があります。
風邪などでウイルスに感染している時、免疫能力により白血球がそのウイルスと戦います。
その時にやっつけたウイルスの死骸や、ウイルスの分泌物などが鼻水と混ざり合うことで
緑色や黄色い鼻水や痰が出るのです。
確かに、風邪の引き始めには透明でサラサラの鼻水が出ていたのに、
だんだんと色の付いてドロッとした鼻水に変わっていくことがありますよね。
よく緑色や黄色い鼻水が出始めたら、風邪の治りかけの証拠だと言いますが、
鼻水や痰に色が付く理由はまさにこういった理由があるのです。
花粉症以外の病気の可能性も!その見分け方とは?
鼻水や痰が緑色や黄色に色が付いていた場合、
もしかしたらそれは花粉症ではなく違う病気を発症しているかもしれません。
色の付いた鼻水や痰が出る病気で多いのは風邪と蓄膿症です。
風邪はお馴染みですが、蓄膿症とはどのようなものなのでしょうか?
以下にまとめてみました!
蓄膿症(ちくのうしょう)とは?
蓄膿症という病名は正式なものではなく、
医学的用語では副鼻腔炎(ふくびくうえん)と呼ばれています。
副鼻腔炎はウイルスや細菌に感染することにより、鼻の奥の副鼻腔という部分に炎症が起きることが原因の鼻炎です。
この副鼻腔炎が慢性的な状態になると副鼻腔に膿が溜まりやすくなり、
ドロッととした鼻水や発熱、副鼻腔の辺りの頬が腫れぼったく感じるなどの症状が出ます。
副鼻腔炎が慢性的になって膿が溜まってしまった状態のことを蓄膿症と呼びます。
こんな症状は蓄膿症かも?
次に、蓄膿症の症状を見てみましょう。
- ドロッとした緑や黄色の鼻水が出る
- 一年中鼻が詰まっている
- 鼻水をかんでも残留感がある
- ドロッとした鼻水が喉に流れてくる
- 鼻や口の奥から嫌な臭いがする
- 顔、歯、目、鼻などの周りが痛い
- 頭痛がある、頭が重だるい感じがする
- 食べ物の味や匂いが分かり辛い
以上が蓄膿症で多く感じられる症状です。
花粉症と違うのは、
- 鼻水がドロッとしている
- 鼻水に色が付いている
- 顔に重だるさや痛みがあること
などとなっています。
膿が溜まってしまっているのが原因で、
鼻や喉の奥の方から嫌な臭いを感じたりするのも蓄膿症の時の特徴です。
これらに当てはまっていたら、花粉症ではなく蓄膿症である可能性があるので
病院に行き、自分の症状をお医者さんに伝えましょう!
実は私も蓄膿症と診断され、溜まった膿を出す治療を受けたことがあります。
その時は小学校低学年で幼かったので、
自分に何が起こっているのか分かっていなかったのですが、慢性的な鼻づまりにはいつも悩んでいました。
ある日病院で、いきなり鼻の奥まで太い注射器のような装置を差し込まれてビックリしたことを覚えています。
ゴリゴリと音がして装置が鼻の奥に入っていく感覚はとてもトラウマものでした…。
ただ、今思えばあの恐怖の装置で副鼻腔の膿を吸い出していたのだなと理解することができました。
今では蓄膿症もすっかり治り、最近鼻づまりで悩んだことはあまりありません。
できればもう二度と蓄膿症にはなりたくはないですね!
鼻水を止める方法4選!
かんでもかんでも垂れてくる厄介な鼻水。
特に仕事中など外にいる時は何としてでも止めたいですよね!
アレルギー性鼻炎に効く薬は即効性はあるものの、
飲むとぼーっとしてしまったり口の中が乾いてしまうので、できれば最終手段にしたいところです。
そこで簡単にできる鼻水を止める方法をご紹介します!
①鼻水を止めるツボを押す!
鼻水を止めるツボは顔に3つあります。
- 目頭と鼻の付け根の間のくぼみの「晴明(せいめい)」
- 頬骨と鼻の骨の間のくぼみ「こうりょう」
- 小鼻の横のくぼみ「迎香(げいこう)」
この3つを順番に、それぞれじんわり押してみましょう!
②水を口に含む!
この方法はとても簡単で、ただ水分を口に2分程度含むだけ!
口に水分がたくさんある状態にすることで、
鼻に出て行こうとする鼻水が喉の方に流れてきやすくなり、大量の鼻水を落ち着かせる効果があります。
しばらく含んだ後はそのまま飲み込んでOKです。
③鼻うがい、できなければ鼻の穴を洗う!
できる方は鼻うがいが一番効果的ですが、
できない方は鼻の穴の内側を洗うだけでも鼻水やくしゃみが落ち着きます。
水に濡らした指で鼻の穴の内側を拭うように洗ってみましょう。
お化粧などの問題のない方は、顔についている花粉が鼻に入るのを防ぐために顔まで洗うとより効果的です!
④脇にペットボトルを挟む!
お手元にペットボトルがない場合は指で脇の下をじんわり押して刺激してみましょう。
鼻水は自律神経によってコントロールされていますが、
脇の下を刺激することで自律神経を落ち着かせる効果があります。
以上が外出先でも簡単にできる鼻水を止める方法です。
出先での止まらない鼻水に困ってしまった際にはぜひ試してみてください。
また、以下の記事ではより詳しく説明しているので、よろしければご覧ください。
→鼻水が止まらない…透明でサラサラなのを止める方法や1週間以上続く場合はどうすれば良い?
痰の出し方
道端で「カー!ッぺ!!」と簡単そうに痰を吐き出している方がいますが、
いざやってみると結構難しいですし、周りの人を不快にさせてしまいます。
ただ、痰については以前、風邪をこじらせて咳と痰が酷くなってしまった時に、
病院の先生にあることを言われました。
それは、
「咳と痰は辛いけれど薬で止めてしまわず、自然にどんどん出してしまった方が良い」
と言うことです。
なんでも、痰は言わば老廃物なので、
薬で止めてしまわずに体外に出した方が良いということだそうです。
しかし、痰は無理に出そうとすると喉が傷付いてしまうのでコツが必要です。
そのコツは以下のようになっています。
- 左右どちらかの脇を下にして横になります
- 両手を脇にそれぞれ挟みます(自分を抱くようなイメージで)
- 鼻から息をゆっくり吸い、口から深く吐きます。
もう吸えない、というところまで深く息を吸ったり吐いたりするのがポイントです - しばらく深呼吸を繰り返していると、痰が上がってくる感覚があります
- 痰が上がって来たのを感じたら、大きく息を吸って勢いよくハーッと息を吐きます(この時上体を起こしても大丈夫です)
- 咳を3回ほどすると、痰が出てきます
痰を出すのは結構疲れますので、1日2~3回までに留めましょう。
また、無理に出そうとして咳を強くすると喉を傷めますので注意してください。
咳をして自然に痰が出る場合はずいぶん楽なのですが、
痰が絡まっていると感じているのになかなか出てきてくれないとモヤモヤしてしまいますよね!
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そんな時に、この横になって痰が上がってくるのを促す方法をぜひ試してみてください。
まとめ
今回は、花粉症の時と他の病気の時の鼻水や痰の違い、
鼻水を止める方法や痰の出し方などについてご紹介しました。
鼻水がなかなか止まらないと思っていたら、実は違う病気だったということもあります。
花粉症と風邪や蓄膿症などの病気の鼻水や痰には違いがあり、
その特徴をよく観察しておくことで見極める一つのポイントとなります。
通常、花粉症の時の鼻水は透明でサラサラしていることが多いので、
もし緑色や黄色いドロッとした鼻水が止まらない場合は風邪や蓄膿症の可能性があります。
その違いは鼻水の役割や鼻水の原因の違いにあり、
アレルギー性鼻炎である花粉症の鼻水はアレルゲンを洗い流すという役割を持っているので、
サラサラで透明な鼻水が出ます。
一方、風邪や蓄膿症はウイルスや細菌に感染している状態なので、
白血球により死滅したウイルスや細菌が混ざり合うことで緑色や黄色くドロッとした鼻水や痰が出ます。
このように、緑色や黄色い鼻水や痰が出ていてなかなか治らないと感じる時は、
重篤化しないよう早めに病院へ行きましょう。
花粉症だと思い込んでアレルギー性鼻炎の薬を飲み続けてしまうと効き目も感じにくいですし、
正しい治療を受けないと病気が酷くなってしまう可能性もありますので、
市販薬ではなく病院で受診して薬をもらう方が安心です。
また、簡単にできる鼻水の止め方や痰の出し方もご紹介させていただきましたので、
鼻水が止まらなくて困った時、痰がゴロゴロして厄介な時のご参考になれば幸いです。
鼻水の詳しい出し方について興味がある方は以下の記事を参考にしてください。
→鼻水が止まらない…透明でサラサラなのを止める方法や1週間以上続く場合はどうすれば良い?
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