MLBのワールドシリーズ第7戦が行われ、カブスがインディアンズを下し、
108年ぶりとなる世界一に輝いた。
およそ1世紀もの間、カブスが優勝できなかった理由の一つに
「ヤギの呪い」が挙げられている。
これは過去にヤギのマーフィーが球場を拒否されて以来、
カブスがことごとく優勝を逃してきたことを意味するのだが、
このヤギの呪いに関するエピソードについて詳しく紹介していきたい。
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ヤギのマーフィーの入場を拒否したことによってヤギの呪いが起きる
ヤギの呪い(ビリー・ゴート)の呪いが起きたのは
1945年のワールドシリーズ第4戦だった。
この日はカブスの本拠地「リグレー・フィールド」での試合で
酒場店主のビリー・ゴート(愛称)さんは飼っていたヤギのマーフィーとともに観戦に訪れていた。
ビリー・ゴートさんがヤギのマーフィーを連れて試合観戦をするのはこの日が初めてではなく、
何度も行なっていたのだが、この日に限ってヤギのマーフィーの入場を拒否されたのだ。
ビリー・ゴートさんはヤギのマーフィーの分のチケットも購入していたのだが、
それでも入場を拒否された理由は、ヤギの放つ匂いにクレームが来たためだと思われる。
この対応に激怒したビリー・ゴートさんは試合観戦をすることなく、
「2度とこのリグレー・フィールドでワールドシリーズがプレーされることはないだろう」
という言葉を残して立ち去ったのだ。
カブスの身に起きたヤギの呪い
その後、カブスは2勝1敗と勝ち越していたものの、
本拠地でまさかの3連敗を喫し、世界一を逃してしまったのだ。
その後は地区優勝を果たすことはあったものの、リーグ優勝にも至ることはなく、
その原因がヤギの呪いによるものなのではないかとする声が次第に広がっていった。
(ちなみに108年間世界一から遠ざかっているのはカブスが最長)
2003年、カブスはヤギの呪いから解放されるチャンスも…
2003年シーズンはリーグ優勝決定戦に持ち込んだカブス。
マーリンズを相手に3勝2敗と勝ち越しており、あと1勝できれば
ワールドシリーズ出場が決定する試合で事件は起きた。
8回表、カブスの守りの時、1アウト2塁でマーリンズの打者がファウルボールを打ち上げた。
カブスのサードが補給体制に入り、2アウトは確実だと思われたその時、
観客のカブスファンが手を伸ばしたことでボールに触れて打球を落としてしまったのだ。
結果はファウルとなり、仕切り直しといきたいところだが、ここから流れが大きく変わり、
カブスはこの試合を落とすと、残りの試合も落とし、ワールドシリーズ出場は果たせなかった。
昨年もカブスに再びヤギの呪いが…
2015年シーズンもリーグ優勝決定戦まで持ち込んだカブス。
しかし、ヤギの呪いが再び襲いかかる。
相手のメッツの選手にはダニエル・マーフィーという選手がおり、
くしくも、ヤギの呪いのマーフィーと同じ名前の選手がいたのだ。
リーグ優勝決定戦前にはこのマーフィーが活躍するフラグが立っていたのだが、
その結果は見事に的中し、なんとプレーオフ6戦連続ホームランという
メジャー新記録を樹立し、堂々のMVP受賞となった。
しかも、このマーフィー選手はレギュラーシーズンでのホームラン数は14本と決して多い方ではなく、
ポストシーズンではその半分に迫る計7本ものホームランを放ったのだから驚きである。
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カブスが世界一に。ヤギの呪いからついに解放される
そして、カブスがついにヤギの呪いから解放される時が来た。
3勝3敗で迎えたワールドシリーズ第7戦目は8回まで6対3とカブスがリードする展開に。
8回には守護神チャップマンを投入し、世界一はほぼ確実かに思われたものの、
まさかの3失点で同点に追いつかれる。
しかし、10回に2点を勝ち越し、そのまま逃げ切ってカブスが108年ぶりとなる世界一を決め、
ヤギの呪いから解放されたのであった。
こうした現象に根拠などないものの、
ヤギの呪いに関しては本当に何らかの力が働いていたのではないかと思えるほどの現象の数々だ。
カブスの選手たちは相当なプレッシャーの中、1勝3敗から3連勝で世界一に輝いたので、
ヤギの呪いから解放されたといって良いだろうし、これからは余計なプレッシャーにとらわれることがないため、
また近いうちに世界一に輝く日が来るかもしれない。